2006/07/03 19:13:32: 感想: 『お・り・が・み 澱の神』
最近もっともお気に入りのライトノベルのひとつ『お・り・が・み』シリーズの完結編。期待を裏切らない、どころか、期待をものすごい勢いで上回って空のかなたまで吹っ飛ばす素敵なできばえの一本。
もっと熱い紹介が、tonboさんのまいじゃー推進委員会のこのへんにあります。
今巻のお話をかいつまんでまとめれば、最後の収束に向けてバトルが連続する展開(なにせ「フルバトルメイドアクション」ですし)が、まずは続きます。しかしこれが「バトルのためのバトル」に堕ちず、あくまでも「物語の一部」として展開されるため、興ざめすることはありません。そしてその戦いのあと、たどり着いた場所で明かされる世界のカタチ。そして主人公たちに明かされる - と、あんまり書きすぎるとネタバレ興ざめなので、この辺で。
全体の感想としては、ここまで、細かい伏線の回収だの整合性だのはどこ吹く風。ひたすら暴力的なまでにエスカレーションしてきた物語が、最後の最後では(多少強引ながらも)きっちり風呂敷をたたまれ、正しく主人公の成長物語へと回収されてみごとに着地したのは、お見事だったし、やはり正しくもあると思います。直球の剛球ってのもいいよね、ってこと。
しかし視姦魔神マリーチの真実が語られる場面、ゲ(以下略が持ち出されたあたり、結構本気で「ぐっと」きてしまいました。ネタ自身は、ライトノベルでもたまに見かける(ような気がする)ものなのですが、使い方がグッド。その場面では、ひたすらに「人間」の肯定が行われます。ひねこびることなく、ただまっすぐに。それはやはり、主人公のまっすぐな成長を描き出した本シリーズにふさわしい描き方だったかと思います。
どうも、ゲ(以下略が持ち出されていたことにびっくりしたためか、冷静さ(そもそも持ち合わせているのか?)を欠いてしまいました。いやその、個人的にいろいろ思い入れがあったりするので(汗。閑話休題。
しかし衝撃(?)だったのは、あとがきで「当初の構想はほとんどゼロ。あとはアドリブと言っても過言ではない」と、作者の林トモアキ氏が語られていたところ。まぁ読者サービスとしての「あとがき」ですから、話半分以下に割り引いたとしても、全7巻という物量を、よくそれで乗り切れたものだな、と。反面、あの気持ちいいくらいにエスカレーションする展開はアドリブの産物かと、納得……できねぇ、やっぱ(苦笑。
この「感想」もそろそろ締めなのですが……なんだかいろいろ的外れなことを書いてしまった気も。結局このシリーズの第一の魅力は、ほとんど暴力的なまでにお話のスケールがエスカレーションする暴走感覚(大風呂敷ががんがん広がってゆく、とも)。そのはちゃめちゃなまでのドライブ感覚をわたしは楽しんだし、みなさん(だれ?)にも楽しんで欲しいな、と思います。一ファンとして。
2006/07/06更新: トンボさんの絶賛っぷりがまた素敵だったので、リンクを張るエントリーを変更。あと文章をちょっと修正。トンボさんが「最高傑作」なんて言葉まで持ち出して絶賛しているのが、自分がほめられたわけでもないのに嬉しい。でも本読む人なら、この感覚判るよね?
